日本語教師の需要は?収入は?求人情報から考える

日本語教師になる方法

日本語教師に需要はあるの?

外国語を教える仕事の需要は、経済状況や政策によって大きく変化します。

例えば日本が高度経済成長期を迎えた時期には、多くの人々が日本語を学ぼうとしました。

現在、日本語教師という仕事に需要はあるのでしょうか?

全体として日本語の学習者数は減少傾向

国際交流基金が3年ごとに調査する日本語学習者数。

2018年度の結果はまだ出ていませんが、2015年度の調査時点では、1979年から順調に増え続けていた学習者数が初めて減少に転じていました。

その要因は、これまで日本語学習者の中心であった韓国・中国・インドネシアでの学習者数減少。

韓国は、

・2011年の中等教育の教育課程改定において第二外国語が必修科目から外され、学習者が大きく減少したこと

・少子化により学生数全体が減少したこと

中国は、

・初等教育における英語導入・強化が進み、中等教育においても外国語科目として英語を選択する機関が増加したこと

・英語志向の高まりを背景に日本語専攻の学科・学生数が減ったこと

インドネシアは、

・中等教育機関の教育課程の改定によって、それまで必修科目であった第二外国語が選択科目になったこと

・教育課程の改定を契機に第二外国語を中止し、受験に有利な科目に切り替える機関もあったこと

以上のような理由がありました。

初等教育での日本語学習者は増加傾向

全体としての学習者数は減少しつつあるものの、初等教育機関では日本語教育を採用するところが増加しており、幼いうちから日本語に触れる機会は増えています。

オーストラリア、タイ、ベトナム、フィリピンでは学習者数が20%以上増加。これらのデータをみると、日本語学習が盛んな国が東アジアから東南アジアに移行した印象があります。

さらに4月から適応される改正入国管理法を受けて、日本語学習の機運は高まっていくことが予想されます。

国内・海外とも日本語教師は不足

現在の日本語教師の数は38,000人弱ですが、そのうちの58%がボランティアです。

昨年は日本語教師の数が不足し、入学予定だった520人が入国できなくなってしまった学校もありました。↓

八王子の日本語学校、教員不足 留学生520人が足止め

日本語学校は慢性的に人手不足。学習者が減少しているとはいえ、フルで働いている母数自体が少ない日本語教師の需要は高いです。

具体的にどんな求人がある?収入は?

今現在、日本語教師の求人はどれくらいあり、内容はどのようなものがあるのでしょうか。

転職サイトにて検索してみました。

海外転職・求人情報dodaでの検索結果は1件

一例を抜粋します。

国:ベトナム
給与:【月給】 1700USD~3000USD(約18.9万~33.3万円)

マイナビ転職グローバルでの検索結果は5件

検索結果の一例を抜粋しました。

国:タイ
給与:月給40,000THB (約139,200円)

国:日本
給与:年収260万円~560万円

リクナビネクストでの検索結果は6件

リクナビネクストでは海外求人はありませんでした。日本の求人結果の抜粋は以下です。

国:日本
給与:月給26万円~

日本語教育学会の求人

日本語教育学会のサイトでも求人情報を見ることができます。

大学などの求人が多く、給与条件は良いですが、大学で日本語教育を学ぶ必要があったりと採用条件がなかなか厳しい。

タイやトルコの現地教員募集で、月給10万円ほどの求人がありました。

海外の方が給与が低めの傾向。現地で生活するには十分?

給与は海外の方が低い傾向があり、東南アジアや中国だと10万円〜16万円くらいが相場。

ただし、物価も安いので現地で普通に生活していく分には十分なようです。

日本では、非常勤講師だと1コマ1700円程度〜。正社員だと月給20万円〜30万円ほどです。

需要はあるし求人もある。ただし給与は高くはない

日本語教師の需要は国内外で高く、求人情報は日々更新されています。

日本語教育能力検定試験に合格したり、420時間の講座を受けた後、日本や海外で日本語教師として働くことは可能でしょう。

ただし、給与は高給とは言えないようです。しかしながら非常にやりがいのある仕事のため、日本語教師の人気は根強いです。

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